2017年1月4日水曜日

【放電プラズマ】 (1) 弾性衝突

衝突について、考えよう。

まず、電子のエネルギーが小さい時に、原子に衝突することを考えよう。

原子は、原子核と電子がある。原子核は、陽子と中性子からできていて、陽子はプラスの電荷をもっている。例えば、陽子が+2eの電荷をもっていれば、2個の電子(-e×2)と原子核のセットで、中性になる。

で、電子は、原子に捕捉されていて、原子軌道をぐるぐる回っている状態にある。電子は原子核(電荷をもっているのは、厳密には陽子)との間のクーロン力が働き原子核の方に引っ張られる。しかし、電子はぐるぐる回っているから遠心力が生じている。したがって、クーロン力と遠心力は釣り合うことになる。

ちょうどいいところにおさまっているならば、つまり、その電子が気持ちよく回っているなら、安定しているということ。

では、再度、問題に戻ろう。

電子のエネルギーが小さい時に、原子に衝突することを考えよう。

電子が原子に衝突する時には、ある速度を持って衝突することになる。質量を持つ物体がある速度で動く時、その物体は運動エネルギーを持つ。

では、その運動エネルギーを持った電子が、原子に衝突すると、どうなるのだろうか。

1) 電子が持っている運動エネルギーを、原子に渡す。

2) 電子が持っている運動エネルギーを、原子に渡さない。

さぁ、どっち?

ここで、電子と原子の質量について考えよう。

電子は、とにかく軽い。非常に軽い。原子は、重い。非常に重い。そんな状況を考えてみよう。

軽い電子が全力で重い電子にぶつかったとしたら・・・。それでも、焼け石に水。したがって、いくら電子が衝突しても、原子は全く動かない。

もし、原子が全く動かないのであれば、速度がゼロ。したがって、原子は運動エネルギーを持たないことになる。

衝突したのに、相手の運動エネルギーがゼロ。つまり、エネルギーは、相手に渡していない状態となる。したがって、2) の「電子が持っている運動エネルギーを、原子に渡さない。」が正解となる。

しかし、実は、この説明は、合っているようで、実は間違っている。

それはなぜか。

ここに量子力学を基にした、放電プラズマ / 高電圧 / 大電流 工学の醍醐味がある。

次回は、この説明をしたい。